AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

「並樹慧弥って、ジュニアだよな? 本物?」
「多分……前に商談で会ったし。私の携帯も知ってるはずだから」

 それなら、と頷き、天喜は手振りで通話の再開を勧めた。宝瑠はひとつ咳払いをし、消音を解除する。「お待たせいたしました」と言う声がわずかに震えていた。

『四ノ宮さん、ご無沙汰しています、と言いたいところですが……僕のこと覚えていらっしゃいますか?』
「えっ、ああ、はい。その節はお世話になりました。プレゼンを褒めていただけて、恐縮でした」
『ああ、いえいえ。商談中だというのに、プライベートな電話に出てしまって、僕の方こそ申し訳なかったです』

 相手の話を聞き、やはり本人だと自覚する。

『用件を手短にお話します。四ノ宮さん、レミックスを辞められたんですよね? その後、新しい就職先は決まりましたか?』
「……あ、いえ。まだです」
『そうですか。それなら良かったです』
「え?」
『良かったらうちで働きませんか?』
「うち……うちって」
『もちろん本社です。ナミキホールディングスの』
「えぇっ!?」

 驚きのあまり、宝瑠は頓狂な声をあげていた。そばで聞いていた天喜はぎょっとし、吹き出すのを懸命に堪えている。

「しょ、正気ですか?」

 いくらか冷静さを失い、気づいたときにはそう尋ねていた。

『と言いますと?』
「だって……私の名前、もはや汚名でしかありませんよ? ご存知ですよね? 色々と」
『……それはまぁ、もちろん』

 並樹常務はふっと息をつき、くすくすと笑っていた。

『でも。やってませんよね、四ノ宮さん』
「……え」
『あれ。だれかとのメールではなく、チャットのログかなにかでしょう?』
「なんで……、知ってるんですか? だれかに、なにか聞いたんですか?」
『いえ』