天喜はマグカップに口を付け、宝瑠の斜向かいに座り、続けた。
「ほとぼりが冷めるまでって言ったらアレだけど。今はさ。充電期間だと思ってゆっくりしたら?」
「ゆっくりって……もう充分よ」
「仕事一筋の宝からしたら、退屈で仕方ないのはわかるけど。人の噂も七十五日。時間が経たないことにはどうにもならないと思うけど?」
「……確かに」
天喜の言うことは正しい。情報漏洩をした危険人物というレッテルを貼られた以上、今すぐの就職が望めないのは当然のことだった。
「やっぱ、名前がまずいんだろうなぁ」
思わずポソっと呟いていた。「名前?」と天喜が反応する。
「面接のアポを取るのにね……名前を言うんだけど。これまでに付き合いもなかった会社に即行でお断りされるの。四ノ宮宝瑠、イコール、会社に損失を与える社会のゴミ、みたいな認識なんだと思う」
「言い過ぎだろ、それ」
「それぐらい疫病神ってことよ」
宝瑠はソファの上で三角座りをし、背を丸めて項垂れた。
ちょうどそのとき。センターテーブルに置いたスマホが軽快な着信音を鳴らした。
電話だった。
宝瑠は億劫な動きでそれを手にし、天喜はそんな彼女をじっと見守った。
いったいだれからだろうと思いつつ、スマホ画面に目を落とした。
080から始まる知らない番号だった。
まさかイタズラ電話……?
「ほとぼりが冷めるまでって言ったらアレだけど。今はさ。充電期間だと思ってゆっくりしたら?」
「ゆっくりって……もう充分よ」
「仕事一筋の宝からしたら、退屈で仕方ないのはわかるけど。人の噂も七十五日。時間が経たないことにはどうにもならないと思うけど?」
「……確かに」
天喜の言うことは正しい。情報漏洩をした危険人物というレッテルを貼られた以上、今すぐの就職が望めないのは当然のことだった。
「やっぱ、名前がまずいんだろうなぁ」
思わずポソっと呟いていた。「名前?」と天喜が反応する。
「面接のアポを取るのにね……名前を言うんだけど。これまでに付き合いもなかった会社に即行でお断りされるの。四ノ宮宝瑠、イコール、会社に損失を与える社会のゴミ、みたいな認識なんだと思う」
「言い過ぎだろ、それ」
「それぐらい疫病神ってことよ」
宝瑠はソファの上で三角座りをし、背を丸めて項垂れた。
ちょうどそのとき。センターテーブルに置いたスマホが軽快な着信音を鳴らした。
電話だった。
宝瑠は億劫な動きでそれを手にし、天喜はそんな彼女をじっと見守った。
いったいだれからだろうと思いつつ、スマホ画面に目を落とした。
080から始まる知らない番号だった。
まさかイタズラ電話……?



