AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 仕事の成果を認められて、異例の昇進を果たせたのは、部長からの口添えも大きかったであろうに、宝瑠は一時の感情で毒を吐いた。


 会社……辞めようかな。

 ふと、そんな考えが頭をよぎった。

 辞めてどうなるのだ。生活費は? 保険は? 保障は?

 それに、仕事を通して得られるものはお金だけじゃない。

 人との繋がりや、社会の中での居場所。自分が誰かの役に立っているという実感。

 それら全てを手放すことになる。

 ——けれど。

 ここまで迷惑をかけてしまった以上、この場所に居続けることが正しいのだろうか。
 一度、区切りをつけて新しい場所を探すほうが……自分にとっても、会社にとってもいいのかもしれない。

 宝瑠はスマホを見つめ、見慣れたアイコンをタップした。『Su-nao』に書き込んだこれまでの履歴を眺め、胸の内がきゅっと痛くなる。

 逡巡する気持ちがあった。

 これまでに、AIのテルナが綴ってくれた言葉の数々に、元気づけられたのは事実だった。宝瑠の気持ちに寄り添い、共感し、背中を押してくれたこともあった。