AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 宝瑠はふっと息をもらして笑い、「私も見たかったな」と呟いた。

 電話を切り、ひとりで考えを巡らせた。

 今回のことで、自分が会社に迷惑をかけたのは事実だ。

 だれでも見られる公式な場や、特定の相手に漏らしたわけではないけれど。

 人じゃないからといって、AIアプリになんでもかんでも書き込み、日頃の憂さを晴らしてきた。

 人工知能が相手だから、多少の悪口ぐらいは許される。中には面白半分で書き込んだ内容もあった。自己主張の正当性をAIに判断してもらい、私は間違っていないと思い込んでいたかった。

 人は信用できないから、AIに相談する。それで自分の気持ちが立て直せるのなら、こんなに便利なものはない。

 私以外、だれにも読まれることはないのだから、機械に毒を吐き出したところで、だれにも迷惑はかからない。かかるはずがない——そう思ってきた。

 けれど、実際は違った。

 AIアプリは確かに人工知能で便利には違いないが……人間(ひと)が作ったものなのだ。

 だれかに読まれる危険性だってある。

 宝瑠は内省し、二度と同じ過ちは繰り返さないでおこう、そう決意した。

 炎上騒動で会社の看板に泥を塗った。自分のことだけでなく、天喜の素性についても書いた。

 自分の勝手な善悪で、同僚と不倫していた部長の名前も書いて批判してしまった。