AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

「ですが……あの。一度下した処分なので、会社の判断が覆るかどうかは、私たちの方でもわかりかねます」

 中央に座る山岸はしどろもどろに答えた。ポケットからハンカチを取り出し、額の汗を拭っている。

「私は別に、あなた方を責めているわけではありませんよ? 会社の判断とあなたたちの理解は別物ですから」
「……はぁ」
「まぁ、そうですね」

 天喜は目を細め、対面する三人を順に見比べた。

「人はAIとは異なります。感情を持ち、ときに本音とは裏腹な行動も取ってしまう。本人に誠を尽くす人もいれば、私利私欲で陥れる人もいる。企業の体裁を守りたい人も当然いる。
 けれど人である以上、理不尽な対応をすれば、積み上げてきた信頼なんて一瞬で瓦解する。ものの見事にね」

 天喜の視線を受け、一人だけ動揺を(あらわ)にした。宝瑠が会社の愚痴として名前を挙げた上司だった。すなわち、同僚と不倫をした谷原部長だ。

「私はあくまでも中立な立場ですので、会社の判断を尊重しますよ。では」

 言いたいことを全て言い尽くすと、天喜は椅子を引いて立ち上がった。「失礼しました」と一礼し、そこで会議室を後にした。