***
宝瑠の炎上騒動が起きてから二日後のことだった。
天喜はパソコンに届いたメールを見て、目を細めた。
なんだこれ。そう思わずにはいられなかった。
宝瑠が務める会社、株式会社レミックスからの謝罪のメールだった。
メールの送り主は担当の小野寺——ではなく、彼の上司に当たる山岸という人物からだ。
今回の炎上騒動により、Akiの情報が一部ネットに流出した件について謝罪の文章が書かれていた。
テンプレートと化した形式上の謝罪文を読み、天喜は項垂れた。
どうすっかなぁ……。
とりあえず返事を書いておこうと思うのだが、形式的な相槌で終わらせるなら書かない方がよっぽどマシだ。
こいつらはネット上でなにが起きていたか知らないんだよな。
天喜はキーボードに両手を載せ、流れるように返信文を打って送信した。
数日後。
宝瑠との息抜きと称した遊びの合間に、天喜は直接レミックスへ出向くことにした。当然、アポは取ってある。
「どこか行くの?」
玄関で靴を履く天喜を見て、宝瑠が慌てて声をかけた。天喜は振り返り、彼女を見つめる。
「ちょっと行って、とっちめてくる」
「……は? だからどこに?」
怪訝な顔をする宝瑠を見て、天喜はふっと口角を上げた。



