AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 運営側に履歴が残されていないということは、テルナと交わした会話の記録はもはや自分のスマホからしか見れない。これ以上は晒されない。

 とんだ取り越し苦労だった、というわけだ。

「……良かったっ」

 宝瑠は両手で顔を覆い、静かに涙ぐんだ。張り詰めていた緊張の糸が解けて、途端に胸が熱くなる。胃の奥がふっと軽くなるのを感じた。

 天喜の嘆息が頭上から降ってきた。
 感情が収まるのを待ってから、宝瑠はまた足に力を入れて立ち上がった。

「それはともかく、さっきの話に戻すけど」

 天喜はひとつ咳払いをし、またマウスに手を触れた。

「火種となったJustice_Hammerは宝の名前を出しながら、Akiの情報を晒すのが目的だった。Akiの名前で炎上するのが本命だったと思うけど……思った以上に俺の情報は揃わない。苛立ったこいつは宝に矛先を変えて体裁を保った。ちょうど今がこの状態」
「……うん」
「ネット上に情報を公開した犯人は、十中八九、Genomarkの社員だと思う」

 宝瑠はそこで目を見張った。

「Genomarkって、運営の?」
「そっ。社員でなおかつ『Su-nao』の裏側を見れるやつ。開発チームとかサーバー管理者とか、そのあたりにいるやつ」

 そこで宝瑠の顔が曇った。眉を寄せ、無言で考え込んでしまう。

「それ、確実なの?」
「うん?」