AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 今、何かが起きている、そんな予感がしてならない。

 エレベーターを待っている間、前に並んだ別部署の女性社員がスマホを見せ合っていた。

「これ、やばくない?」
「ガッツリ名前出ちゃってるじゃん……」

 彼女たちは気づかぬふりで声を潜めたが、嫌でも耳に入ってしまう。

 名前……?

 宝瑠は目を伏せた。心臓がわずかに早まるのを感じて、鞄を持つ手にぎゅっと力がこもった。

 エレベーターに乗り込み、上階に向けて動き出す。

 執務フロアへ向かう途中、宝瑠のスマホが静かに震え出した。小野寺からの着信だった。

「……おはよう、小野寺くん」
『ああ。おはよう、四ノ宮』

 声が硬い。普段と違う。胸の奥に嫌な予感が広がった。

『あのさ……いきなりで悪いんだけど。SNS、見たか?』
「え?」

 ドキン——。心臓が強く拍動した。体の内側にじっとりと冷ややかな汗が浮かんだ。

 小野寺は意を決したように、静かなトーンで続けた。

『落ち着いて聞いてほしいんだけど。 TALK-N(トークン)に四ノ宮の名前が出てる』
「は?」
『昨日の深夜に投稿されたスパークがバズってて……炎上してる』

 ……えん、じょう……。

 一瞬——なにを言われているのか、わからなかった。

 エレベーターの到着音が間延びして響いた。扉が開き、宝瑠はズシリと重くなった足をどうにか動かした。