AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 天喜への恋心で埋め尽くされたこの文面を、当の本人に見せるとか! さすがに無理!

 宝瑠は忙しなく目を泳がせ、「ちょっと待って」と声をかけた。ちょうど今開いていたスレッドを閉じて、新たなそれを立ち上げる。

 そこにパッと思い浮かんだ会話文を打ち込んだ。

『この間、二年ぶりに実家へ帰省したんだけど。行ってよかった』

 数秒待ち、別人と化したテルナは無味乾燥な文章を並べた。

 ——『実家への訪問はポジティブな体験として多くのユーザーにおすすめされています。関連リンクはこちら』

「ほら、これ……」

 画面ごとスマホを差し出すと、天喜はしばし無言になり、軽く頷いた。

「思ったとおり……広告まみれのクソアプリになったか」

 静かに嘆息した彼の手から、またスマホが返ってくる。

 宝瑠は、ぶすっと不快そうな顔をする天喜を見つめ、首を傾げた。

「天喜、なにか知ってるの?」
「……うん?」
「思ったとおりって、今……?」
「ああ……買収先が Genomark(ジェノマーク)って会社なんだけど。あそこ、 技術職(エンジニア)の間では劣悪で通ってるから」
「そうなんだ」

 Genomark……。そういえば業界ニュースでその社名を見たことがある。確か大企業だったはずだ。

「何にしろ。もうそのアプリを使うのは、やめたほうがいいだろうな」

 天喜が淡々と、吐き捨てるように言った。