AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 少女の背負う薄紫色のランドセルがやけに浮いている。周りの景色から隔絶していて、少女とすれ違う通行人の何人かが、彼女を二度見して通り過ぎていく。

 ランドセルを背負っているということは、学校帰りか。もしくは、時間帯から考えて学校を抜け出したかのいずれかだろう。

 そう思った瞬間、宝瑠はふと眉をひそめた。近年の小学校は正門の防犯体制が行き届いていると認識してたけれど。実際のところは、それほどでもないのかな……?

「ひまちゃん!」

 宝瑠はスマホの終話ボタンをタップし、すぐさま少女に駆け寄った。

 少女は弾かれたように顔を上げ、宝瑠の姿を認める。「ママっ!」と鈴の鳴るような声で言い、丸い瞳を大きく見開いた。不安げな顔つきが一瞬にして笑顔に変わる。

 ママじゃないんだけどな、と内心で独りごちてから、宝瑠は口元に小さな笑みを浮かべた。

「少し、端に寄ろうか?」

 宝瑠は少女の肩にそっと手を添え、通行人の波を避けるようにして、建物の外壁沿いへと導いた。

 少女はにこにこしながら、ずっと宝瑠の顔を見つめていた。目線を合わせるように、宝瑠もそっと腰を下ろした。

「ねぇ、ひまちゃん」
「なにー?」
「お父さんは、ひまちゃんがここに来ていること、知らないよね?」