妙子が一拍置き、驚いたような声を出した。天喜が、ふっと笑ったのが背中越しに伝わった。
「ええ。僕、こんな身なりなんで、チャラチャラしてるように見えると思いますけど。それなりの常識はありますので」
天喜の言葉を受けて、妙子はしばし無言になった。彼は独自の見解を続けた。
「女性側の、望まない妊娠があると。結局のところ、傷つくのは子供だと思うんですよ」
「………」
「だから。母子家庭で宝瑠さんを育ててこられたお母さんを、僕は立派な人だと思っています。女性にしろ男性にしろ……一人で子育てしていく過酷さに疲れて、途中で再婚をする人も少なくないと思うので」
「……そうねぇ」
いったいなんの話をしているのだろう……? 宝瑠は思わず小首を傾げた。
ただ、二人の空気から真剣だということだけは伝わってきた。
「お母さんは、再婚しようとは思わなかったんですか?」
そこで少しの間を置き、妙子が口を開いた。
「そりゃあ私だって……何度も考えたわ。ワンオペじゃなくて、パートナーがいたら。じゅえちゃんに寂しい想いをさせなくていいのになって」
——でも、お母さんはそうしなかった。私を一人で育てることを選んだ。
お母さんの、過去の話……? 自然と眉が寄り、宝瑠は話の続きを待った。
「ええ。僕、こんな身なりなんで、チャラチャラしてるように見えると思いますけど。それなりの常識はありますので」
天喜の言葉を受けて、妙子はしばし無言になった。彼は独自の見解を続けた。
「女性側の、望まない妊娠があると。結局のところ、傷つくのは子供だと思うんですよ」
「………」
「だから。母子家庭で宝瑠さんを育ててこられたお母さんを、僕は立派な人だと思っています。女性にしろ男性にしろ……一人で子育てしていく過酷さに疲れて、途中で再婚をする人も少なくないと思うので」
「……そうねぇ」
いったいなんの話をしているのだろう……? 宝瑠は思わず小首を傾げた。
ただ、二人の空気から真剣だということだけは伝わってきた。
「お母さんは、再婚しようとは思わなかったんですか?」
そこで少しの間を置き、妙子が口を開いた。
「そりゃあ私だって……何度も考えたわ。ワンオペじゃなくて、パートナーがいたら。じゅえちゃんに寂しい想いをさせなくていいのになって」
——でも、お母さんはそうしなかった。私を一人で育てることを選んだ。
お母さんの、過去の話……? 自然と眉が寄り、宝瑠は話の続きを待った。



