どうやって……?
昨年まで幼稚園に通っていたばかりの、小さな子が。ひとりで、ここまで?
「ほんとに会社の前なの? 名刺を見てここまで来たの? ……どうやって?」
口に出してから、聞きすぎたかと気づく。電話の向こうが一瞬、静まり返る。
「ごめんね。大丈夫。今、そっちに行くから、そこで待ってて」
宝瑠は胸の高鳴りを抑えながら、エレベーターのボタンを押し込んだ。
やがて扉が開くと、足早に乗り込んだ。
『えっとね……しんせつなおねえさんが、ひまのカードを見て、ここだよって連れてきてくれたの。ママに会いたいっておねがいしたら、ちゃんとはなし聞いてくれたの』
「……そう」
なるほど。
名刺を握りしめて立ち尽くしていた少女に、通りがかりの女性が気づいたのだろう。「どうしたの?」と声をかけ、「家は? 学校は?」と尋ねたに違いない。
それでも少女は、「ママに会いたい」と繰り返した。ただその一心で。
……来ちゃったわけね。
「もう外に出るから待っててね?」
宝瑠は駆け足で、エントランスへと向かった。
ガラス張りの自動ドアを抜けて、キョロキョロと忙しなく瞳を泳がせる。
……いた。
小さな女の子がスマホをぎゅっと握りしめ、俯いたまま立ち尽くしている。いつもなら、絶対に見ることのない光景だ。
昨年まで幼稚園に通っていたばかりの、小さな子が。ひとりで、ここまで?
「ほんとに会社の前なの? 名刺を見てここまで来たの? ……どうやって?」
口に出してから、聞きすぎたかと気づく。電話の向こうが一瞬、静まり返る。
「ごめんね。大丈夫。今、そっちに行くから、そこで待ってて」
宝瑠は胸の高鳴りを抑えながら、エレベーターのボタンを押し込んだ。
やがて扉が開くと、足早に乗り込んだ。
『えっとね……しんせつなおねえさんが、ひまのカードを見て、ここだよって連れてきてくれたの。ママに会いたいっておねがいしたら、ちゃんとはなし聞いてくれたの』
「……そう」
なるほど。
名刺を握りしめて立ち尽くしていた少女に、通りがかりの女性が気づいたのだろう。「どうしたの?」と声をかけ、「家は? 学校は?」と尋ねたに違いない。
それでも少女は、「ママに会いたい」と繰り返した。ただその一心で。
……来ちゃったわけね。
「もう外に出るから待っててね?」
宝瑠は駆け足で、エントランスへと向かった。
ガラス張りの自動ドアを抜けて、キョロキョロと忙しなく瞳を泳がせる。
……いた。
小さな女の子がスマホをぎゅっと握りしめ、俯いたまま立ち尽くしている。いつもなら、絶対に見ることのない光景だ。



