宝瑠は頷き、真剣な目をする妙子から、ぎこちなく視線を逸らした。
手放すもなにも、本当のことを言えば、天喜とは恋人関係でもなんでもない。宝瑠自身は深い関係を望んでいるけれど、肝心の天喜の気持ちはわからないのだ。
宝瑠はマグカップを持ち上げ、冷めたカフェラテを口にした。
*
ふいに手からスマホが滑り落ちた。
あれ……? 私……?
畳の部屋で寝転がっている状況に不思議を感じ、ゆっくりと上体を起こした。
いつの間にか寝ていた?
天喜と日葵が起きるまで、座って待っていようとスマホを見ていたはずだ。
スマホ画面で読書でもしていようと同じ和室にいたのだが。いつの間にか寝落ちしていたらしい。ロック画面から時間を確認すると、午後四時を回っていた。
うわ……もう夕方じゃない。急いで帰らなきゃ。
慌てて天喜を起こそうと目を上げるのだが。畳で変わらずに眠っているのは日葵だけだった。
天喜は……。起きたんだ?
そっと和室の襖を開けようと身を寄せたとき。扉越しに、低く抑えた声がもれ聞こえてきた。天喜と母が話しているのだとすぐにわかった。
宝瑠は細く襖を開けて、その隙間からリビングの様子を窺った。ちょうど天喜の後ろ姿が見えた。
「……あら、そう……なの?」
手放すもなにも、本当のことを言えば、天喜とは恋人関係でもなんでもない。宝瑠自身は深い関係を望んでいるけれど、肝心の天喜の気持ちはわからないのだ。
宝瑠はマグカップを持ち上げ、冷めたカフェラテを口にした。
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ふいに手からスマホが滑り落ちた。
あれ……? 私……?
畳の部屋で寝転がっている状況に不思議を感じ、ゆっくりと上体を起こした。
いつの間にか寝ていた?
天喜と日葵が起きるまで、座って待っていようとスマホを見ていたはずだ。
スマホ画面で読書でもしていようと同じ和室にいたのだが。いつの間にか寝落ちしていたらしい。ロック画面から時間を確認すると、午後四時を回っていた。
うわ……もう夕方じゃない。急いで帰らなきゃ。
慌てて天喜を起こそうと目を上げるのだが。畳で変わらずに眠っているのは日葵だけだった。
天喜は……。起きたんだ?
そっと和室の襖を開けようと身を寄せたとき。扉越しに、低く抑えた声がもれ聞こえてきた。天喜と母が話しているのだとすぐにわかった。
宝瑠は細く襖を開けて、その隙間からリビングの様子を窺った。ちょうど天喜の後ろ姿が見えた。
「……あら、そう……なの?」



