アレを敢えての言動だと考えるならば、天喜は宝瑠を敵とみなしていたということになる。すなわち、大事な存在である日葵を守るために、敢えて嫌な奴を演じていたということ……?
頭の中で、過去の出来事が違う光を帯びて回り始めた。
自身の行動も併せて振り返ると、確かに当初、宝瑠は日葵の実母を探せばいいと、安直に考えていた。天喜にとってはものすごく厄介な存在だっただろう。
天喜について思い返すと、気になる行動は他にもあった。
初めて動物園に行った帰りにされた、不意打ちのキスもそのひとつだ。アレももしかしたら……彼なりの挑発だったのかもしれない。
彼自らが嫌な人物を演じた上で、それでもなお、日葵と向き合うことができるのか、と。そう試されていたのかもしれない。
「結婚は……? するの?」
妙子が唐突に尋ね、宝瑠はいくらか身構えた。
「まだ、わからない」
「……どうして?」
「私は……したい、けど。彼の仕事上、イメージ的なものもあるだろうから。それは追々、天喜と相談していく」
天喜の仕事が覆面のゲームクリエイターだと説明し、宝瑠はそれを引き合いに出して、うまく取り繕った。
「なんにせよ、久々津さんを手放しちゃ駄目よ?」
「……あ。うん……」
頭の中で、過去の出来事が違う光を帯びて回り始めた。
自身の行動も併せて振り返ると、確かに当初、宝瑠は日葵の実母を探せばいいと、安直に考えていた。天喜にとってはものすごく厄介な存在だっただろう。
天喜について思い返すと、気になる行動は他にもあった。
初めて動物園に行った帰りにされた、不意打ちのキスもそのひとつだ。アレももしかしたら……彼なりの挑発だったのかもしれない。
彼自らが嫌な人物を演じた上で、それでもなお、日葵と向き合うことができるのか、と。そう試されていたのかもしれない。
「結婚は……? するの?」
妙子が唐突に尋ね、宝瑠はいくらか身構えた。
「まだ、わからない」
「……どうして?」
「私は……したい、けど。彼の仕事上、イメージ的なものもあるだろうから。それは追々、天喜と相談していく」
天喜の仕事が覆面のゲームクリエイターだと説明し、宝瑠はそれを引き合いに出して、うまく取り繕った。
「なんにせよ、久々津さんを手放しちゃ駄目よ?」
「……あ。うん……」



