妙子に呼ばれてリビングへ移動する。先ほど座っていたコタツテーブルの上に、湯気をたてたマグカップが二つ置かれていた。粉に湯を注ぐだけでできる市販のカフェラテだった。
「ごめん、お母さん。二人ともちょっと寝ちゃってて」
和室の襖を後ろ手にそっと閉めて、宝瑠は座布団に腰を下ろした。
「いいわよ、そんなの。なんなら今夜は泊まってってくれてもいいし」
「……うーん」
宝瑠は曖昧に笑い、言葉を濁した。
泊まりになると、天喜と同じ部屋で寝ることになるだろうから、また眠れなくなる。今夜は帰ろう、そう思った。
宝瑠は自分用のマグカップを手元に寄せ、ふぅ、と息を吹きかけた。
「じゅえちゃん、あんな人、なかなかいないわよ?」
「……え」
妙子は意味深に目を細め、和室の扉をチラリと見た。
「電話で聞いたときには、単純に優しい人なのかなって思ったけど……日葵ちゃんとの親子関係も自然で、何より、瞬間的に空気を察して動ける人でしょ? あんな人がそばにいてくれたら、安心だし、心強いわよ」
宝瑠は眉を寄せ、首をかしげる。
「天喜は……どっちかっていうと、空気読めない人だと思うけど?」
「ううん……読めるとか読めないとかじゃなくて、“察して動ける人”よ、じゅえちゃん」
「ごめん、お母さん。二人ともちょっと寝ちゃってて」
和室の襖を後ろ手にそっと閉めて、宝瑠は座布団に腰を下ろした。
「いいわよ、そんなの。なんなら今夜は泊まってってくれてもいいし」
「……うーん」
宝瑠は曖昧に笑い、言葉を濁した。
泊まりになると、天喜と同じ部屋で寝ることになるだろうから、また眠れなくなる。今夜は帰ろう、そう思った。
宝瑠は自分用のマグカップを手元に寄せ、ふぅ、と息を吹きかけた。
「じゅえちゃん、あんな人、なかなかいないわよ?」
「……え」
妙子は意味深に目を細め、和室の扉をチラリと見た。
「電話で聞いたときには、単純に優しい人なのかなって思ったけど……日葵ちゃんとの親子関係も自然で、何より、瞬間的に空気を察して動ける人でしょ? あんな人がそばにいてくれたら、安心だし、心強いわよ」
宝瑠は眉を寄せ、首をかしげる。
「天喜は……どっちかっていうと、空気読めない人だと思うけど?」
「ううん……読めるとか読めないとかじゃなくて、“察して動ける人”よ、じゅえちゃん」



