AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 学校は? そう喉元まで出かかった言葉を呑み込む。

『パパ、ひどいんだもん。ママのこと、忘れろって。ひまが会いたいって言ってるのに、ぜんぜん聞いてくれないの』
「……そうなんだ」
『きのうもね、「仕事がいそがしいから、はやくねなさい」って。ひまのおはなし、ぜんぜん聞いてくれなくて』
「そっか……」

 どうしよう……。

 宝瑠は思わず腕時計を見やり、小さく息をついた。

 少女が今、外にいるなら、家に帰るよう促したい。けれど、どこからかけているのかがわからない。

 何より、一刻も早く父親の久々津に連絡しなければ。

 少女の背後からは、相変わらず雑多な音が聞こえていた。車の行き交う音、人のざわめき、その空気が電話越しにまで伝わってくる。

「ねえ、ひまちゃん。お姉さんの話、聞いてくれるかな?」
『……う、うん』

 どこか不安げな、ためらうような返事が聞こえる。

「ひまちゃん、今ひとりなの? そこがどこか、わかる?」
『えっとね、会社のまえだよ』
「え?」
『ママの会社のまえ……あるいてきたの』
「……それって。レミックス?」
『そう。きのう、ママからもらった白いカード、パパが机の上においてたの。だから、もってきたの』

 嘘でしょ……?

 思わず息を呑む。

 彼女の言葉どおりなら、今この瞬間、少女は自分が勤める会社の目の前にいるということになる。