そんな日葵をバックミラー越しに確認し、天喜は呆れて息をついた。結局のところ、八時を過ぎたあたりで日葵が起床し、天喜を起こしたらしい。
宝瑠が食堂から戻ると、二人で部屋の浴室を使っていた。
「わかった……向かいの駐車場の3番ね、わざわざありがとう。じゃあ、あとでね?」
実家の母との通話を切り上げ、宝瑠はスマホをタップした。するとタイミングを見計らったように、天喜に話しかけられた。
「つーかさ。宝ってお母さんに会うの、どれぐらいぶり?」
「……え」
「すごい久しぶりなのかなって」
「ああ……」
宝瑠はぎこちなく笑い、一昨年の正月を思い出していた。
「確か……二年ぶり、かな。一昨年、正月に帰ったきりだから」
「へぇ……そっか」
自分から聞いておきながら、相変わらず気のない返事が返ってくる。
「ひま、おばあちゃんに会うの楽しみーっ」
日葵の無邪気な声だけが、やんわりと車中を和ませた。
スマホのナビを頼りに、天喜の車は高速の出口を通り過ぎ、一般道を走り続けた。
やがて懐かしい景色が目に飛び込んでくる。
濃い緑の山々が、夏の陽光を浴びて艶やかに輝いていた。段々に広がる茶畑の畝が、波のように滑らかに重なり合っている。耳を澄ませば、窓ガラス越しに蝉の声が届いた。
宝瑠が食堂から戻ると、二人で部屋の浴室を使っていた。
「わかった……向かいの駐車場の3番ね、わざわざありがとう。じゃあ、あとでね?」
実家の母との通話を切り上げ、宝瑠はスマホをタップした。するとタイミングを見計らったように、天喜に話しかけられた。
「つーかさ。宝ってお母さんに会うの、どれぐらいぶり?」
「……え」
「すごい久しぶりなのかなって」
「ああ……」
宝瑠はぎこちなく笑い、一昨年の正月を思い出していた。
「確か……二年ぶり、かな。一昨年、正月に帰ったきりだから」
「へぇ……そっか」
自分から聞いておきながら、相変わらず気のない返事が返ってくる。
「ひま、おばあちゃんに会うの楽しみーっ」
日葵の無邪気な声だけが、やんわりと車中を和ませた。
スマホのナビを頼りに、天喜の車は高速の出口を通り過ぎ、一般道を走り続けた。
やがて懐かしい景色が目に飛び込んでくる。
濃い緑の山々が、夏の陽光を浴びて艶やかに輝いていた。段々に広がる茶畑の畝が、波のように滑らかに重なり合っている。耳を澄ませば、窓ガラス越しに蝉の声が届いた。



