無言で口を尖らせていると、彼が「あ」と思い出したように続けた。
「ちなみに、俺んちの両親に会いたいってのは無しな? ひまには、こっちの祖父母は死んだってことで通してるから。そこんとこよろしく」
「……わかった」
宝瑠は、ふっと息をつき、そりゃあね、と思った。
天喜から聞いた生い立ちを思うと、とてもじゃないが、彼の両親に会いたいという気持ちにはなれない。天喜は家族と修復不能な状態のまま、縁を切ったのだ。愛娘に「死んだ」と言ってあるのは、至極当然のことに思えた。
天喜の車が走り出して数分後。
高速道路に乗る手前のコンビニで、少し寄り道することになった。日葵のちょっとしたお菓子や、それぞれの飲み物を買うためだった。
買い物カゴに入れた商品を持って天喜がレジに並ぶ。その合間に宝瑠は日葵をトイレに連れて行った。
トイレから出ると、ちょうど天喜も会計を終えたところだった。声をかけようとしたそのとき。
「あれ? アキくんじゃん?」
「あ、ほんとだ」
二人の若い女性が天喜に気づいて声をかけた。茶髪の巻き髪と黒髪ロングの女性だった。二人とも、細身で華奢な体つきをしているのに、出るところはしっかりと出ている。
ふいに近づいて来た彼女たちを見て、「あら偶然」と天喜が呟いた。
「ねぇ、最近どうしてるの〜? アキくん全然電話してくれなくなったから、りな寂しくって」
「ちなみに、俺んちの両親に会いたいってのは無しな? ひまには、こっちの祖父母は死んだってことで通してるから。そこんとこよろしく」
「……わかった」
宝瑠は、ふっと息をつき、そりゃあね、と思った。
天喜から聞いた生い立ちを思うと、とてもじゃないが、彼の両親に会いたいという気持ちにはなれない。天喜は家族と修復不能な状態のまま、縁を切ったのだ。愛娘に「死んだ」と言ってあるのは、至極当然のことに思えた。
天喜の車が走り出して数分後。
高速道路に乗る手前のコンビニで、少し寄り道することになった。日葵のちょっとしたお菓子や、それぞれの飲み物を買うためだった。
買い物カゴに入れた商品を持って天喜がレジに並ぶ。その合間に宝瑠は日葵をトイレに連れて行った。
トイレから出ると、ちょうど天喜も会計を終えたところだった。声をかけようとしたそのとき。
「あれ? アキくんじゃん?」
「あ、ほんとだ」
二人の若い女性が天喜に気づいて声をかけた。茶髪の巻き髪と黒髪ロングの女性だった。二人とも、細身で華奢な体つきをしているのに、出るところはしっかりと出ている。
ふいに近づいて来た彼女たちを見て、「あら偶然」と天喜が呟いた。
「ねぇ、最近どうしてるの〜? アキくん全然電話してくれなくなったから、りな寂しくって」



