AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

『Su-nao』には、妙に人間らしい温度があった。会話も、画面も、どこか静かで落ち着いていて、ユーザーに安心感を与えてくれていた。

 それが今後は、広告優先の仕様に変えられていくのだろう。会話のたびに何かを売りつけられるような、そんなアプリになる。

「あのコードがいじられてなきゃいいけど」

 ぼそりと呟いた声に、自分でもわずかな苛立ちが混じっているのを感じた。

「天喜、早く行こう? ひまちゃんが待ってる」
「……ああ」

 宝瑠に急かされ、天喜はまた歩き出した。

 *

 朝別れたばかりの日葵を迎えに行くと、遊び疲れたせいか、小野寺宅ですっかり眠りこけていた。

 時刻はもう午後十九時を回っていた。天喜は宝瑠に目配せし、ふっと頬を緩めた。それを見て、彼女も「ふふっ」と柔らかく笑う。

「日葵ちゃん。ずっとパパとママの話をしてたんですよ?」

 小野寺の妻に話しかけられ、天喜は恐縮の思いから頭を下げた。「今日はありがとうございました」と礼を言う。

 彼女が宝瑠にコソッとなにかを囁いていたが、主婦特有の会話だろう、天喜は気にも留めなかった。眠り込んだ娘をそっと車まで運んだ。

 宝瑠からも小野寺夫婦に再三礼を尽くし、天喜たちはようやく帰路につくことにした。

「……で。今日はどうすんの?」

 天喜はフロントガラスを見つめながら、声をかけた。