我慢に耐えかねて、何度か家を飛び出した日もあった。夜に都会の街をうろつき、当然ながら警察に補導される。
家に連絡が行き、迎えが来て帰される。そしてまた怒鳴られる。
——天喜が十三歳になった冬の夜。突如として転機が訪れた。
天喜はいつものように家を飛び出し、夜の街を彷徨っていた。
駅から離れた裏通りでしゃがみ込み、暗い夜空をぼうっと眺めた。人通りの多い場所だと未成年は補導されると身に染みてわかっていた。
そんなとき。すぐ近くでドアが開いた。中から中年の男性が出てきて、青いゴミバケツにゴミ袋を入れていた。どうやら店か何かの裏口らしい。
男性の格好を見て、天喜は目を細めた。
男性は黒のベストに同色のカッターシャツを合わせ、ラフに袖をまくり上げていた。深みのある青いネクタイが差し色になっており、腰から下はグレーのカフェエプロンを付けていた。落ち着いた佇まいをしている大人の男性だ。
じっと見ていると、目が合いそうな気がして、天喜はすぐにそっぽを向いた。邪魔だと注意されたら、また移動すればいい、そう思っていた。
男性は無言で外の瓶類や段ボールを片付け、また店に戻っていった。
家に連絡が行き、迎えが来て帰される。そしてまた怒鳴られる。
——天喜が十三歳になった冬の夜。突如として転機が訪れた。
天喜はいつものように家を飛び出し、夜の街を彷徨っていた。
駅から離れた裏通りでしゃがみ込み、暗い夜空をぼうっと眺めた。人通りの多い場所だと未成年は補導されると身に染みてわかっていた。
そんなとき。すぐ近くでドアが開いた。中から中年の男性が出てきて、青いゴミバケツにゴミ袋を入れていた。どうやら店か何かの裏口らしい。
男性の格好を見て、天喜は目を細めた。
男性は黒のベストに同色のカッターシャツを合わせ、ラフに袖をまくり上げていた。深みのある青いネクタイが差し色になっており、腰から下はグレーのカフェエプロンを付けていた。落ち着いた佇まいをしている大人の男性だ。
じっと見ていると、目が合いそうな気がして、天喜はすぐにそっぽを向いた。邪魔だと注意されたら、また移動すればいい、そう思っていた。
男性は無言で外の瓶類や段ボールを片付け、また店に戻っていった。



