天喜が義父に叱られるのは、決まって些細なこと。
最初はゲームセンターで遊びたいと言う要望を、義父に駄目だと一蹴されたことだった。天喜は自分の想いが通らない理不尽さに疑問が湧いた。
「なんで? なんでダメなの?」
「駄目なものは駄目なんだ。あんな所で遊ぶのが習慣化したら、ろくな大人にならない。そういうものなんだ」
「……でも。前はお母さんと行ってたから」
「でももへったくれもない。子供は子供らしく外で遊びなさい」
天喜は納得できなかった。母が再婚するまでは、週に一度、五百円玉を握りしめて遊びに行くのが“普通”だった。
義父に「なんで?」を繰り返すうちに、手をあげられるようになった。最初は衝撃的だった。
母に叩かれたことなど一度もない。亡き父も同様だった。幼いながら、自己主張できるのを天喜の良さだと認めていたからだ。
母は叩かれた天喜を見て、義父にやんわりと反発した。けれども、それが義父の癪に触れ、母までもが怒られるようになった。
「だいたい、おまえの躾が悪いから、天喜が親に反抗するんだ!」
義父は一家の大黒柱として、自分こそがこの家の規範だと思っていた。
社会的な立場もあり、大手企業に勤めていることが、義父の自尊心を裏打ちしていた。
最初はゲームセンターで遊びたいと言う要望を、義父に駄目だと一蹴されたことだった。天喜は自分の想いが通らない理不尽さに疑問が湧いた。
「なんで? なんでダメなの?」
「駄目なものは駄目なんだ。あんな所で遊ぶのが習慣化したら、ろくな大人にならない。そういうものなんだ」
「……でも。前はお母さんと行ってたから」
「でももへったくれもない。子供は子供らしく外で遊びなさい」
天喜は納得できなかった。母が再婚するまでは、週に一度、五百円玉を握りしめて遊びに行くのが“普通”だった。
義父に「なんで?」を繰り返すうちに、手をあげられるようになった。最初は衝撃的だった。
母に叩かれたことなど一度もない。亡き父も同様だった。幼いながら、自己主張できるのを天喜の良さだと認めていたからだ。
母は叩かれた天喜を見て、義父にやんわりと反発した。けれども、それが義父の癪に触れ、母までもが怒られるようになった。
「だいたい、おまえの躾が悪いから、天喜が親に反抗するんだ!」
義父は一家の大黒柱として、自分こそがこの家の規範だと思っていた。
社会的な立場もあり、大手企業に勤めていることが、義父の自尊心を裏打ちしていた。



