宝瑠は困惑し、きゅっと下唇を噛んだ。
「あのころさ」と瑠奈が目を伏せ、乾いた声で続けた。
「時々だけど、じゅえちゃん。余分におにぎりとか買って、私に分けてくれたことあったでしょ?
あれ、嬉しかったけど。実は結構辛かったの……食べることに対して、過剰に心配させてるのが申し訳なくもあったし。もっと食べなきゃだめって言われるたびに……そんなのわかってるって、心のどこかで反発してしまう自分もいて。そんな自分が、何よりも嫌いだった」
瑠奈の言葉を聞き、過去の自分が蘇った。確かに自分は、過剰なぐらい、瑠奈を心配していた。
棒切れみたいな腕で、ひょろひょろの体で、いつか倒れるんじゃないかって。真夏の暑さに耐えられず、熱中症になるんじゃないかって。お節介な気持ちを抱いていた。
そんな私を見抜いていたからこそ、瑠奈はなにも言わなかった。同情されるなんてまっぴらごめん、可哀想なんて思われたくない、そうやって自尊心を守っていた。
私の無神経な優しさが、瑠奈の中に黒い感情を生ませた。
宝瑠は自分の中で、なにかが壊れる音を聞いた気がした。ガラスがパリンと割れるみたいに、かすかな音だった。
自然と目線が下がり、俯いた。膝の上で組んだ手から力が抜けていく。
胃の底に、大きな鉛が沈んだみたいで、重く、痛くなる。
「あのころさ」と瑠奈が目を伏せ、乾いた声で続けた。
「時々だけど、じゅえちゃん。余分におにぎりとか買って、私に分けてくれたことあったでしょ?
あれ、嬉しかったけど。実は結構辛かったの……食べることに対して、過剰に心配させてるのが申し訳なくもあったし。もっと食べなきゃだめって言われるたびに……そんなのわかってるって、心のどこかで反発してしまう自分もいて。そんな自分が、何よりも嫌いだった」
瑠奈の言葉を聞き、過去の自分が蘇った。確かに自分は、過剰なぐらい、瑠奈を心配していた。
棒切れみたいな腕で、ひょろひょろの体で、いつか倒れるんじゃないかって。真夏の暑さに耐えられず、熱中症になるんじゃないかって。お節介な気持ちを抱いていた。
そんな私を見抜いていたからこそ、瑠奈はなにも言わなかった。同情されるなんてまっぴらごめん、可哀想なんて思われたくない、そうやって自尊心を守っていた。
私の無神経な優しさが、瑠奈の中に黒い感情を生ませた。
宝瑠は自分の中で、なにかが壊れる音を聞いた気がした。ガラスがパリンと割れるみたいに、かすかな音だった。
自然と目線が下がり、俯いた。膝の上で組んだ手から力が抜けていく。
胃の底に、大きな鉛が沈んだみたいで、重く、痛くなる。



