「私……てっきり、瑠奈に嫌われたものだと思ってた。携帯繋がらなくなって、自分じゃ気づかない言葉とか態度で、瑠奈のこと傷つけていたのかもしれないって思って……何回も考えて」
「うん。じゅえちゃんらしいよね……」
「……それに、謝るとしたら私のほう。あのとき、瑠奈のこと。何にも知らなくて……いつも無神経な話ばっかしてたかもしれない。瑠奈が黙って聞いてくれるからって、甘えてた」
こうして彼女に会うまでは、いったいなにを話せばいいのだろう、そう思っていたけれど。これまでに何度となく反芻した想いは、するすると舌の上からこぼれていった。
「ごめんなさい」と謝ると、瑠奈は首を傾げ、はぁ、と息をついた。
「天喜くんから聞いたんだね、私の……家のこと」
「……あ、うん」
「笑っちゃうぐらい、悲惨でさ……でも、良かったよ。やっぱりあのとき、じゅえちゃんには言わなくて……正解だった」
どういう意味?
ふっと浮かんだ疑問は言葉にならず、宝瑠は丸い瞳を瞬いた。
瑠奈は自嘲気味な笑みを浮かべた。
「意味わかんないって顔してる」
そう言いながら、瑠奈は瞳を三日月型に細めた。
「うん。じゅえちゃんらしいよね……」
「……それに、謝るとしたら私のほう。あのとき、瑠奈のこと。何にも知らなくて……いつも無神経な話ばっかしてたかもしれない。瑠奈が黙って聞いてくれるからって、甘えてた」
こうして彼女に会うまでは、いったいなにを話せばいいのだろう、そう思っていたけれど。これまでに何度となく反芻した想いは、するすると舌の上からこぼれていった。
「ごめんなさい」と謝ると、瑠奈は首を傾げ、はぁ、と息をついた。
「天喜くんから聞いたんだね、私の……家のこと」
「……あ、うん」
「笑っちゃうぐらい、悲惨でさ……でも、良かったよ。やっぱりあのとき、じゅえちゃんには言わなくて……正解だった」
どういう意味?
ふっと浮かんだ疑問は言葉にならず、宝瑠は丸い瞳を瞬いた。
瑠奈は自嘲気味な笑みを浮かべた。
「意味わかんないって顔してる」
そう言いながら、瑠奈は瞳を三日月型に細めた。



