天喜は無言のままテーブルに置かれたタブレットを手に取った。メニューをさっとスクロールしてから、コーヒーの欄に指を滑らせる。注文を確定すると、タブレットをそっと元の位置に戻した。
しばらく、重い沈黙が二人のあいだに流れた。
マスターが宝瑠たちのいる席に来て、二人分のホットコーヒーを並べてくれる。湯気の上がるカップを見て、宝瑠はマスターにそっと会釈をした。
マスターが立ち去るのを確認すると、天喜はおもむろに口を開いた。
「瑠奈が今いる場所も……一緒に落ちてた書類から確認したよな?」
宝瑠は控えめに目を向けて、無言で頷いた。
瑠奈がいるのは、北海道にある刑務所。面会する際の注意点が書かれた書類には、彼女が受刑者であることが明記されていた。
「……なら単刀直入に言うけど。瑠奈は過去に殺人を犯してる」
「……え」
「日葵を産む前に……三人殺してる」
瞬間——宝瑠の目が大きく見開かれた。丸い、ガラス玉のような瞳に天喜が映っている。瞬きすら忘れ、その瞳が揺れている。
あまりの衝撃に、息を呑み、微動だにできなかった。ふいにみぞおちを打たれたようで、声すら出なかった。
喉が詰まる。唇が震えた。
「いま……、なんて?」
かすかな声音で、そう聞き返すのがやっとだった。
しばらく、重い沈黙が二人のあいだに流れた。
マスターが宝瑠たちのいる席に来て、二人分のホットコーヒーを並べてくれる。湯気の上がるカップを見て、宝瑠はマスターにそっと会釈をした。
マスターが立ち去るのを確認すると、天喜はおもむろに口を開いた。
「瑠奈が今いる場所も……一緒に落ちてた書類から確認したよな?」
宝瑠は控えめに目を向けて、無言で頷いた。
瑠奈がいるのは、北海道にある刑務所。面会する際の注意点が書かれた書類には、彼女が受刑者であることが明記されていた。
「……なら単刀直入に言うけど。瑠奈は過去に殺人を犯してる」
「……え」
「日葵を産む前に……三人殺してる」
瞬間——宝瑠の目が大きく見開かれた。丸い、ガラス玉のような瞳に天喜が映っている。瞬きすら忘れ、その瞳が揺れている。
あまりの衝撃に、息を呑み、微動だにできなかった。ふいにみぞおちを打たれたようで、声すら出なかった。
喉が詰まる。唇が震えた。
「いま……、なんて?」
かすかな声音で、そう聞き返すのがやっとだった。



