「付き合いで言ったら……もう十五年ぐらい経つし」
天喜は、なんでもないような口調で淡々と言った。けれど宝瑠は、その言葉の奥にある彼の内面に、初めて触れたような気がして、じわっと胸の奥が熱くなった。
「親代わりって、いったい……?」
真っ先に浮かんだ疑問を、そのまま口にした。天喜は小さく首を振り、「俺の話はいいから」と宝瑠の知りたいという欲を素っ気なく跳ね返した。宝瑠は口を結び、目線をテーブルに落とした。
「……手紙、読んだんだよな?」
「えっ」
弾かれるように顔を上げると、天喜がこちらをジッと見据えて言った。
「勝手に俺の部屋に入って、俺が書いた手紙を、俺の許可もなく、勝手に読んだんだよな?」
「……うっ」
責めるような口調だったけど、天喜の表情には「なにやってんだよ」という呆れが滲み出ていた。「ごめんなさい」と素直に謝った。
「手紙の宛名書きが“瑠奈”って書いてあったから……気になって、つい」
天喜はそこで、深く息を吐き出した。
「読んだなら……わかるよな? 大体のことは」
彼に確認するように問われ、宝瑠は小さく顎を引いた。
「ひまちゃんのお母さんが……瑠奈なんでしょう? 私と友達でいた……坂井瑠奈」
天喜はこくりと頷き、「コーヒーでいい?」と聞いてきた。オーダーのことかと思い至り、「うん」と返事をする。
天喜は、なんでもないような口調で淡々と言った。けれど宝瑠は、その言葉の奥にある彼の内面に、初めて触れたような気がして、じわっと胸の奥が熱くなった。
「親代わりって、いったい……?」
真っ先に浮かんだ疑問を、そのまま口にした。天喜は小さく首を振り、「俺の話はいいから」と宝瑠の知りたいという欲を素っ気なく跳ね返した。宝瑠は口を結び、目線をテーブルに落とした。
「……手紙、読んだんだよな?」
「えっ」
弾かれるように顔を上げると、天喜がこちらをジッと見据えて言った。
「勝手に俺の部屋に入って、俺が書いた手紙を、俺の許可もなく、勝手に読んだんだよな?」
「……うっ」
責めるような口調だったけど、天喜の表情には「なにやってんだよ」という呆れが滲み出ていた。「ごめんなさい」と素直に謝った。
「手紙の宛名書きが“瑠奈”って書いてあったから……気になって、つい」
天喜はそこで、深く息を吐き出した。
「読んだなら……わかるよな? 大体のことは」
彼に確認するように問われ、宝瑠は小さく顎を引いた。
「ひまちゃんのお母さんが……瑠奈なんでしょう? 私と友達でいた……坂井瑠奈」
天喜はこくりと頷き、「コーヒーでいい?」と聞いてきた。オーダーのことかと思い至り、「うん」と返事をする。



