AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 店全体に、時間がゆるやかに流れているような静けさがある。客の数もそれほど多くはなく、どこも一人客ばかりだった。だれかと語らいながら酒を飲む、というよりは、ひとりの時間をゆったり過ごすための店、そんな雰囲気が感じ取れた。

 宝瑠は店内をぐるりと見渡し、小野寺を探した。しかし、彼の姿はどこにもない。

「あれ……?」

 困惑を隠しきれず立ち尽くしていると、カウンターの奥から、マスターが声をかけた。

「いらっしゃい。……お一人ですか?」
「あ、いえ……人と待ち合わせをしていて」

 マスターが静かに微笑み、手振りでカウンター席を勧めてくれる。

 宝瑠は少し気後れしながらも、そこに腰を下ろした。先に飲み物を頼んで待つべきか、それとも……。

 カウンターに置かれたメニューを一瞥し、鞄の中からスマホを取り出した。小野寺に電話をかけようと思った。

 電話のアイコンに指で触れたとき、入口の方からカウベルがカラン、と響いた。小野寺が来たのだと思い、振り返る。

 そこで宝瑠はハッと息を呑んだ。大きく目を見張り、来店した彼をジッと見てしまう。

 店内に入って来たのは天喜だった。黒い帽子とマスクで顔を隠しているけれど、雰囲気で彼だとわかる。