これまでに生活する上で、時々感じていた違和感だ。なので、このまま連絡が途絶えれば、すべてが無に帰す——そんな予感があった。
連絡がくるとしたら、日葵からだが。不思議なことに、日葵からも電話が鳴ることはなかった。
彼らと密に過ごしたのは、たったの二ヶ月。あの日々はなんだったのだろう。空虚に思えてならない。
久しぶりに、だれかと深く関わるのを楽しいと感じられたのに。
天喜が書いたあの手紙を見た瞬間、それまで続いていた日常は全て嘘だったんじゃないかと、思い知らされた。
まるで砂上の楼閣だった。灰色の空気が瑞々しい同居生活を覆い尽くし、土台から崩壊させてしまった。
天喜の本音を知るのが怖くて、宝瑠は言葉を尽くさずに逃げてきてしまった。
天喜に、「日葵のために仕方なくそうした」とか「最初から家族ごっこって言ってただろ」と言われたら、どうやって立ち直ればいいのか、想像もつかなかった。
小野寺は、死んだ魚の目をする宝瑠を見やり、「今日さ」と何でもないような声を出す。
「四ノ宮、俺んちで晩飯食べない?」
「……は? なんで?」
「いや、実はさ。この前うちの嫁さんに、四ノ宮って同期が失恋して落ち込んでるんだよなって相談したの」
「……なにそれ。別に失恋なんかしてないし」
連絡がくるとしたら、日葵からだが。不思議なことに、日葵からも電話が鳴ることはなかった。
彼らと密に過ごしたのは、たったの二ヶ月。あの日々はなんだったのだろう。空虚に思えてならない。
久しぶりに、だれかと深く関わるのを楽しいと感じられたのに。
天喜が書いたあの手紙を見た瞬間、それまで続いていた日常は全て嘘だったんじゃないかと、思い知らされた。
まるで砂上の楼閣だった。灰色の空気が瑞々しい同居生活を覆い尽くし、土台から崩壊させてしまった。
天喜の本音を知るのが怖くて、宝瑠は言葉を尽くさずに逃げてきてしまった。
天喜に、「日葵のために仕方なくそうした」とか「最初から家族ごっこって言ってただろ」と言われたら、どうやって立ち直ればいいのか、想像もつかなかった。
小野寺は、死んだ魚の目をする宝瑠を見やり、「今日さ」と何でもないような声を出す。
「四ノ宮、俺んちで晩飯食べない?」
「……は? なんで?」
「いや、実はさ。この前うちの嫁さんに、四ノ宮って同期が失恋して落ち込んでるんだよなって相談したの」
「……なにそれ。別に失恋なんかしてないし」



