——瑠奈へ。

 いきなり手紙なんか書いてごめん。
どんな顔して読んでるか、正直、想像もつかない。

 日葵に……瑠奈が母親だってこと、これは言っていない。瑠奈の意思を無視して言うつもりはないし、今後も隠し続けるつもりでいる。
けど、「死んだことにしてほしい」っていうのは受け入れられなかった。だから遠くで生きていると言って、俺なりに母親像をAIで生成した。

 こんなこと言ったら笑うかもしんないけど……あのとき瑠奈がファミレスで見せてくれた携帯の写メ。瑠奈の隣に写ってた女の子さ……俺、すげータイプだったんだ。だからかな、AIで作った画像、その顔になってんの。

 瑠奈、会いたいって言ってたよな? その子に。
 多分、俺の思い違いじゃないと思うから言うけど。四ノ宮宝瑠って名前だろ?
 変わった名前だから違うなら違うですぐにわかると思う。

 日頃から日葵に「この人がママだよ」って言って、四ノ宮宝瑠そっくりの画像を写真として見せてるから……偶然、当の本人に会ってしまって。今、一緒に暮らしてる。

 日葵とふたりで写った宝瑠の写真を同封しておくから、見て確かめてほしい。

 瑠奈が良ければ、宝瑠をそっちに連れて行く。瑠奈はあのとき、「今さら会えない」って言ってたけど、俺は「生きていれば、いつか会える」って言ったから。
 それを証明してやりたい。

 返事、待ってるから。

 久々津 天喜

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