宝瑠は思わず、小さく喉を鳴らしそうになった。
どこかチャラくて、気まぐれで、何を考えているかわからない天喜。けれど今、彼は本気で仕事をしている。本気で、面白いものを作ろうとしている。
やっぱり、Akiはすごいな。
こっそりのぞいてるだけなのに、胸が高鳴るのを感じた。
彼は納期の内容に触れ、そこで通話を切っていた。画面が暗転したのを見て、宝瑠はそっと息をつく。自分でも気づかぬうちに、肩に力が入っていた。
部屋の奥から椅子を引く音がして、宝瑠は慌てて扉から身を離した。静かに、足音を立てないように歩いて、キッチンの方へ戻っていった。
*
今年度に入ってからオープンした駅前のイタリアンは、ガラス張りの外観が目を引く洒落た店だった。
昼どきにはランチ客でにぎわい、テーブル席の間を軽快な足取りで店員たちが行き交っている。
宝瑠は、部下の女子社員ふたりに誘われて、ランチに来ていた。日頃から宝瑠を慕う今井と水野という若手社員だ。
「ここにチーフと来たかったんですよね〜、チーフの雰囲気に合うと思って」
そう言って笑う部下、今井に案内され、宝瑠はガラス越しに陽光が差し込むテーブル席へ向かった。
どこかチャラくて、気まぐれで、何を考えているかわからない天喜。けれど今、彼は本気で仕事をしている。本気で、面白いものを作ろうとしている。
やっぱり、Akiはすごいな。
こっそりのぞいてるだけなのに、胸が高鳴るのを感じた。
彼は納期の内容に触れ、そこで通話を切っていた。画面が暗転したのを見て、宝瑠はそっと息をつく。自分でも気づかぬうちに、肩に力が入っていた。
部屋の奥から椅子を引く音がして、宝瑠は慌てて扉から身を離した。静かに、足音を立てないように歩いて、キッチンの方へ戻っていった。
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今年度に入ってからオープンした駅前のイタリアンは、ガラス張りの外観が目を引く洒落た店だった。
昼どきにはランチ客でにぎわい、テーブル席の間を軽快な足取りで店員たちが行き交っている。
宝瑠は、部下の女子社員ふたりに誘われて、ランチに来ていた。日頃から宝瑠を慕う今井と水野という若手社員だ。
「ここにチーフと来たかったんですよね〜、チーフの雰囲気に合うと思って」
そう言って笑う部下、今井に案内され、宝瑠はガラス越しに陽光が差し込むテーブル席へ向かった。



