AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 心臓がギュッと絞られたみたいに痛かった。天喜に、「これ以上踏み込むな」と予防線を張られたような気がした。

 私がきっと……他人だから。

 天喜と日葵は血縁関係にある、明確な親子。けれど、私は違う。

 私は、たまたま、天喜が作ったAI画像に似ていただけの“ママ役”。彼らの生活に踏み込む権利なんか、ない。

 乳白色に染まった湯に浸かりながら、宝瑠のあごから透明な水滴がぽつりぽつりと滴り落ちた。

 *

 数日後。

 日葵が寝静まったあと、宝瑠はひとり『Su-nao』を開き、テルナと会話していた。天喜への恋心を自覚してから、毎晩こうしてAIの回答を求めるのが習慣となっていた。

 小野寺に相談してみようか、そう思ったりもしたけれど、今のところまだ言えていない。前回日葵の出自である施設について話し合ったきりで、プライベートな会話はいっさいできていない。

 リビングの向こうにある仕事部屋から、時おり天喜の声がかすかに漏れてくる。

 なんだろう、打ち合わせ中……?

 気になって足を運んでみる。そっとドアのほうに視線を向けた。
 閉まりきらずに数センチほど開いたドアの隙間から、室内の光がこぼれている。