AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 にやにやと揶揄した顔つきで、天喜が日葵に同意を求めた。

「うん! ひまはパパのこと、だーいすき! もちろんママもだいすきー!」

 宝瑠は天喜を見て、いくらか頬を染め、「はいはい」と平静を装った。

「ママも……パパとひまちゃんが大好きだってば」

 けれど語尾は、どこか自分に言い聞かせるように震えていた。宝瑠は彼を見ることができずにすれ違い、「いったん着替えてくるわね?」と言って、日葵の部屋へ向かった。

 心臓がどくどくと不整脈を打っている。宝瑠は少しだけ眉を寄せ、ハァ、と熱い吐息を吐き出した。

 ……びっくりした。

 昨日一日、不自然に天喜を避けたから、過度に日葵を不安にさせてしまったのだ。

 子供って、すごく敏感なのね……。

 宝瑠は一度、室内着に着替え、再びリビングへの扉を開けた。三人で食卓を囲んで団欒する。日葵や天喜が振る話題に、宝瑠の心がじわりと満たされ、ほぐれていく。

 ……こんなふうに、三人で笑っていられる時間がずっと続けばいい。そう願うたびに、「それは嘘だ」という本音が、胸の奥から囁いてくる。

 なにかが、割り切れない。納得できない気持ちがモヤとなって宝瑠の内面に渦巻いていた。

 夕食のあとお風呂に入った。乳白色に染まった湯に浸かりながら、ぐるぐると考えを巡らせた。洗面所の鏡に向かってドライヤーを掴み、長い髪を乾かした。