端にレモンを添えた唐揚げが、見栄えよく皿に積まれている。きゅうりとブロッコリー、トマトにゆで卵を添えたサラダ。副菜のほうれん草の胡麻和えと、豆腐のお味噌汁もきちんと並んでいた。
「いつも晩御飯、ありがと。お風呂も追い焚きしてくれたんだっけ?」
「まぁね。ここんとこ、宝が俺の顔見て話してくれないから」
そう言いながら天喜はそばに立つ日葵に目配せをした。宝瑠は無意識に顔を強張らせた。
「ママと喧嘩してるの? って。心配してたんだよなー、ひま?」
「……うん」
日葵が不安そうに眉を下げ、宝瑠に寄り添った。
「ねぇママ。パパとケンカしちゃったの? パパのこと、きらい?」
「う、ううん。そんなことないわよ?」
「……じゃあ、すき?」
「えっ」
取り繕って浮かべた笑顔が不自然に固まる。少しの沈黙を挟み、宝瑠は「うん」と顎を引いた。返事がややぎこちなくなる。
「ほんと?」
「うん」
「ほんとにほんと?」
「うん、本当にほんとよ」
ぱっと花が咲くように、日葵は瞳を輝かせた。満面の笑みを浮かべている。
「ほらな? 喧嘩なんかしてないだろ?」
「へへっ、うん!」
天喜が冷蔵庫を開けて、中から冷えたお茶を取り出した。ペットボトルに入ったそれを、テーブルにあるグラスに注ぎ、「つーか」とついでのように言った。
「好きなら好きって、ちゃんと言ってくれないと。なぁ、ひまわりー?」
「いつも晩御飯、ありがと。お風呂も追い焚きしてくれたんだっけ?」
「まぁね。ここんとこ、宝が俺の顔見て話してくれないから」
そう言いながら天喜はそばに立つ日葵に目配せをした。宝瑠は無意識に顔を強張らせた。
「ママと喧嘩してるの? って。心配してたんだよなー、ひま?」
「……うん」
日葵が不安そうに眉を下げ、宝瑠に寄り添った。
「ねぇママ。パパとケンカしちゃったの? パパのこと、きらい?」
「う、ううん。そんなことないわよ?」
「……じゃあ、すき?」
「えっ」
取り繕って浮かべた笑顔が不自然に固まる。少しの沈黙を挟み、宝瑠は「うん」と顎を引いた。返事がややぎこちなくなる。
「ほんと?」
「うん」
「ほんとにほんと?」
「うん、本当にほんとよ」
ぱっと花が咲くように、日葵は瞳を輝かせた。満面の笑みを浮かべている。
「ほらな? 喧嘩なんかしてないだろ?」
「へへっ、うん!」
天喜が冷蔵庫を開けて、中から冷えたお茶を取り出した。ペットボトルに入ったそれを、テーブルにあるグラスに注ぎ、「つーか」とついでのように言った。
「好きなら好きって、ちゃんと言ってくれないと。なぁ、ひまわりー?」



