もともと相入れないほど対照的なのに、自分より年下だからという理由で気を許しすぎたのかもしれない。

 過去、唯一私を慕ってくれた“あの子”のように……。

 桃子をあの子の存在に重ねて、勝手に慕われてる、なんて思い込んでいた。ものすごい勘違い。自意識過剰すぎて笑える。

 自嘲気味な笑みが浮かんだところで、心に空いた穴からスッと冷たい風が通り過ぎた。

 自分にとって大切な存在になればいい、そう願った結果がこれだ。その点では反省すべきかもしれない。

 宝瑠とて、恋をすることが悪いことだと言いたいわけじゃないし、年齢イコール、彼氏いない歴というわけでもない。

 宝瑠もそれなりに恋をしてきたし、結婚を意識する彼氏だっていた。

 もう五年も前になるが、確かにいたのだ。

 ——「おまえってホント、可愛げがないよな」
 ——「なんていうか。隙ってもんがないしさ。こっちにも完璧を求められてるみたいで……一緒にいると疲れるんだよな」

 別れる間際、元カレから聞かされたセリフだ。

 女子社員からの陰口を聞いたとき、自然とそれらのセリフと重なった。

 まだ癒えてもいない傷口に塩を塗り込まれたような痛みを覚えた。

 宝瑠は画面をスクロールし、一週間ほど前に書いたスレッドに目を落とした。

『堕胎についての悩み』とある。