「ひとりだけ。すごく仲のいい友達がいたの。二つ年下の後輩なんだけど、いつも屋上で一緒にご飯を食べて……なんでもない話とかしてて」
「……へぇ」
「なんでか気が合ってさ。一緒にいるのが心地いいっていうか……瑠奈といるのが当たり前みたいになってたんだけど。急に音信不通になっちゃって」
過去に想いを馳せ、宝瑠が力なく笑った。そんな彼女を、天喜が驚いたような目で見つめる。「え」と声を上擦らせ、彼は続ける言葉に逡巡した。
「なんで、そんな……?」
うん、とひとつ頷き、宝瑠は曖昧に首を傾げた。
「私が大学に進学してから、瑠奈が親の都合で北海道に引っ越しちゃってね。しばらくの間は携帯で連絡を取り合ってたんだけど……なんでか急に……繋がらなくなって、それっきり」
天喜は細めた目を伏せ、戸棚からティーポットを取り出した。ハーブを入れたポットに無言で湯を注いでいる。
「その瑠奈ってやつ……なにか事情があったのかもしれないな」
抑揚のない呟きに、宝瑠は頷いた。「そうだね」と相槌を打ち、寂しげな笑みを浮かべた。
「今でこそそう思えるけど。当時はなんでって気持ちが強くて。瑠奈に嫌われるようなこと、なにかしちゃったのかなって……けっこう気にしたの」
「……へぇ」
「なんでか気が合ってさ。一緒にいるのが心地いいっていうか……瑠奈といるのが当たり前みたいになってたんだけど。急に音信不通になっちゃって」
過去に想いを馳せ、宝瑠が力なく笑った。そんな彼女を、天喜が驚いたような目で見つめる。「え」と声を上擦らせ、彼は続ける言葉に逡巡した。
「なんで、そんな……?」
うん、とひとつ頷き、宝瑠は曖昧に首を傾げた。
「私が大学に進学してから、瑠奈が親の都合で北海道に引っ越しちゃってね。しばらくの間は携帯で連絡を取り合ってたんだけど……なんでか急に……繋がらなくなって、それっきり」
天喜は細めた目を伏せ、戸棚からティーポットを取り出した。ハーブを入れたポットに無言で湯を注いでいる。
「その瑠奈ってやつ……なにか事情があったのかもしれないな」
抑揚のない呟きに、宝瑠は頷いた。「そうだね」と相槌を打ち、寂しげな笑みを浮かべた。
「今でこそそう思えるけど。当時はなんでって気持ちが強くて。瑠奈に嫌われるようなこと、なにかしちゃったのかなって……けっこう気にしたの」



