思わず笑みがこぼれ、「確かにいいね」と同意した。「だろ?」と天喜が小さく笑ってカップに口をつけた。
それからというもの、おかしな同居生活の日々は穏やかに過ぎていった。主に料理を担当するのは天喜だが、そのほかの家事については、臨機応変に手の空いたほうが引き受けた。
マンションで一人暮らしをしていたときは、だれのためでもない、自分ひとりのためなので、家事へのやる気など微塵も起きなかったのだが。だれかとの生活、殊に日葵のためと思えば、自ずとやろうと思えた。
夕食作りをする天喜に呼ばれて、宝瑠は時おり手伝いを頼まれた。
玉ねぎの皮を剥いたり、きゅうりをスライサーで薄く切って塩揉みしたり。シュウマイやピーマンの肉詰めの生成を手伝ったり。
手順を教わる宝瑠を見て、日葵が嬉しそうに笑った。その笑顔に、宝瑠の胸がほんのりあたたかくなる。
「ママな、昔はできたんだけど、こういうことも忘れちゃってて」
「そうなんだぁ」
天喜がコソッと日葵に耳打ちするが、すぐそばで話すので当然宝瑠の耳にも入ってくる。
「また天喜は適当なことを言う」
宝瑠がむくれてジトッとした目つきで睨むと、天喜は悪びれもなく笑った。
「ママー、ジャムのふたがあかない、あけてー?」
日葵が朝食に食べるトーストに苺ジャムがぬれず、困っていた。
「うん、いいよ。貸して?」
それからというもの、おかしな同居生活の日々は穏やかに過ぎていった。主に料理を担当するのは天喜だが、そのほかの家事については、臨機応変に手の空いたほうが引き受けた。
マンションで一人暮らしをしていたときは、だれのためでもない、自分ひとりのためなので、家事へのやる気など微塵も起きなかったのだが。だれかとの生活、殊に日葵のためと思えば、自ずとやろうと思えた。
夕食作りをする天喜に呼ばれて、宝瑠は時おり手伝いを頼まれた。
玉ねぎの皮を剥いたり、きゅうりをスライサーで薄く切って塩揉みしたり。シュウマイやピーマンの肉詰めの生成を手伝ったり。
手順を教わる宝瑠を見て、日葵が嬉しそうに笑った。その笑顔に、宝瑠の胸がほんのりあたたかくなる。
「ママな、昔はできたんだけど、こういうことも忘れちゃってて」
「そうなんだぁ」
天喜がコソッと日葵に耳打ちするが、すぐそばで話すので当然宝瑠の耳にも入ってくる。
「また天喜は適当なことを言う」
宝瑠がむくれてジトッとした目つきで睨むと、天喜は悪びれもなく笑った。
「ママー、ジャムのふたがあかない、あけてー?」
日葵が朝食に食べるトーストに苺ジャムがぬれず、困っていた。
「うん、いいよ。貸して?」



