AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 今月に入ってすぐに打ち出されたアプリ『Su-nao(スナオ)』は、新規ユーザー獲得のため、半年間だけ無料で使えるというサービスを提供していた。AIの動向を探る目的で、宝瑠もテストユーザーとして登録をした。

 当初は企画を作るための情報検索に利用したり、企画案の現実性や誤字脱字のチェック、文章のリライトに使っていた。

 けれど、あるとき気づいたのだ。AIは機械。人間じゃないからこそ、感情も持たない。つまり客観性に富んでいるのではないか、と。

 誰にも言えない、誰にも見せられない自分の内面(かお)を悩みとして書いたら、どんな回答が得られるだろうか。

 宝瑠は日頃から、思ってやまないことがあった。

 人間は信用できない。腹の内では、何を思っているかわからない。私のことを親身に思いやるふりをして、嘲笑っているかもしれない。

 感情があるからこそ、思ってもいない言葉を平然と使う。

 感情があるからこそ、敢えて本音を隠す。

 その場しのぎの共感性で相槌をうつ。宝瑠にも心当たりが山ほどある。

 馬鹿げてると思いながらも、初めてAIに相談したとき、不思議と心が軽くなるのを感じたのだ。

 だからAIに相談する。

 心の深い深い、内面の孤独をさらけ出して、少しずつでも傷を癒せるのなら救われるから。