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定時に帰宅すると、天喜と日葵はすでに入浴を済ませており、湯上がりの匂いがほんのり漂っていた。三人で食卓を囲み、団欒を楽しんだあと、宝瑠は天喜に後片付けを任せてお風呂をいただいた。
脱衣所は鍵を掛けられるので、安心して入ることができた。
八時半過ぎまで日葵とのお喋りや絵本の読み聞かせなどで、ゆったりとした時間を過ごし、彼女の部屋で寝かせつけた。
リビングに戻ると、天喜がハーブティを淹れて待っていてくれた。ラインで知らせた通り、食費や光熱費について話し合うつもりでいた。
ふたりでソファに腰を下ろすと、天喜がノートパソコンを開いた。毎月つけている家計簿のファイルを画面に映し、センターテーブルに置いた。数字がきっちり整理された表が並んでいて、収入と支出がひと目でわかるようになっていた。
宝瑠にかかる食費や雑費について、天喜がどう考えているのかを尋ねると、彼は「とりあえず、一ヶ月経ってから結論を出すつもりでいた」と答えた。
宝瑠が久々津家に加わることで、どのぐらいの変動があるかを見てから請求を考えていたらしい。宝瑠は眉を寄せ、「うーん」と唸った。
「それだとちょっと曖昧じゃない? どうせだから食費については半分出すよ。折半」
「いや。それだと取り過ぎだろ……宝、そんな食わねーし。三分の一でいいんじゃない?」
天喜の意見に押されて、三分の一で話がついた。



