「言わないよ。四ノ宮がそうしてほしいなら、絶対言わない」
宝瑠は小野寺の目を見て、こくりと頷いた。
手前に置かれた冷たいレモンパスタに目を落とす。ガラスプレートの上に盛られた麺を、フォークで軽く崩してからくるりと巻いた。
みずみずしいトマトとモッツァレラチーズの白が目に鮮やかで、見た目も味もさっぱりと軽やかだった。
“ママ契約”についてなにから切り出すか。咀嚼しながら考えた結果、ここで以前オムライスを食べさせた少女、日葵について話すことにした。
日葵が宝瑠のことをママと呼んでいたこと、そしてその理由を手短に、なおかつわかりやすく言葉にする。
小野寺はひとつひとつの情報に息を呑み、目を丸くしながら聞いていた。
日葵のスマホに保存された“ママ”の写真が実はAI生成画像であり、日葵自身はそれを知らないこと。日葵は言わばフィクションでしか存在しない宝瑠そっくりの画像を、母親と信じ込んでいること。偶然出会った宝瑠を見て、“ママ”と呼んで慕っていること。
そして、日葵の父親によると、彼女の実母が誰なのかはわからないのだという。宝瑠はその理由も含めて、ひとつひとつ丁寧に説明していった。
「AI画像を作ったのが、久々津さんで……その久々津さんが日葵ちゃんのパパなの」
「……マジかよ」
宝瑠は小野寺の目を見て、こくりと頷いた。
手前に置かれた冷たいレモンパスタに目を落とす。ガラスプレートの上に盛られた麺を、フォークで軽く崩してからくるりと巻いた。
みずみずしいトマトとモッツァレラチーズの白が目に鮮やかで、見た目も味もさっぱりと軽やかだった。
“ママ契約”についてなにから切り出すか。咀嚼しながら考えた結果、ここで以前オムライスを食べさせた少女、日葵について話すことにした。
日葵が宝瑠のことをママと呼んでいたこと、そしてその理由を手短に、なおかつわかりやすく言葉にする。
小野寺はひとつひとつの情報に息を呑み、目を丸くしながら聞いていた。
日葵のスマホに保存された“ママ”の写真が実はAI生成画像であり、日葵自身はそれを知らないこと。日葵は言わばフィクションでしか存在しない宝瑠そっくりの画像を、母親と信じ込んでいること。偶然出会った宝瑠を見て、“ママ”と呼んで慕っていること。
そして、日葵の父親によると、彼女の実母が誰なのかはわからないのだという。宝瑠はその理由も含めて、ひとつひとつ丁寧に説明していった。
「AI画像を作ったのが、久々津さんで……その久々津さんが日葵ちゃんのパパなの」
「……マジかよ」



