【あとね。私のぶんの食費について、ちゃんと話し合えてないのずっと気になってて。また時間みて話そう?】
【わかった】
天喜から即レスが付くのを見て、ホッと安堵する。最初からこうしておけばよかった。ラインで先に用件だけを伝えておけば。
宝瑠はスマホを端に寄せ、再びパソコン画面を見つめた。無意識に気持ちが引き締まる。
いつもの冷静な顔つきで淡々と仕事する宝瑠を見やり、部下たちが密やかに囁き合っていた。
「ねぇ、さっきの四ノ宮チーフ、見た?」
「……うん。スマホ見て笑ってたよね……もしかして彼氏、かな?」
「そうかも。あんな表情するの。初めて見たよね?」
宝瑠を慕う女子社員がコソコソと話すのを一瞥し、佐伯がいくらか浮かない顔で宝瑠を見つめた。
*
テーブルの縁に手を添えて、宝瑠は小野寺と向かい合って座っていた。
店内は、ちょうど昼休憩の真っ只中。細長い空間に並んだテーブル席はほぼ埋まり、背広姿の会社員たちが肩を寄せ合うようにして食事をとっている。
料理を運ぶスタッフの声、響くカトラリーの音、スマホ片手に商談の続きをしているらしき男性の笑い声——それらが、ゆったりと流れるジャズに混じり、店内の空気をせわしなく掻き立てていた。
【わかった】
天喜から即レスが付くのを見て、ホッと安堵する。最初からこうしておけばよかった。ラインで先に用件だけを伝えておけば。
宝瑠はスマホを端に寄せ、再びパソコン画面を見つめた。無意識に気持ちが引き締まる。
いつもの冷静な顔つきで淡々と仕事する宝瑠を見やり、部下たちが密やかに囁き合っていた。
「ねぇ、さっきの四ノ宮チーフ、見た?」
「……うん。スマホ見て笑ってたよね……もしかして彼氏、かな?」
「そうかも。あんな表情するの。初めて見たよね?」
宝瑠を慕う女子社員がコソコソと話すのを一瞥し、佐伯がいくらか浮かない顔で宝瑠を見つめた。
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テーブルの縁に手を添えて、宝瑠は小野寺と向かい合って座っていた。
店内は、ちょうど昼休憩の真っ只中。細長い空間に並んだテーブル席はほぼ埋まり、背広姿の会社員たちが肩を寄せ合うようにして食事をとっている。
料理を運ぶスタッフの声、響くカトラリーの音、スマホ片手に商談の続きをしているらしき男性の笑い声——それらが、ゆったりと流れるジャズに混じり、店内の空気をせわしなく掻き立てていた。



