「わかった。また帰るときラインして?」
「了解」

 天喜は冷蔵庫の中からトマトときゅうりを取り出し、「つーか、宝」とついでのように言った。

「時間大丈夫か?」

 壁にかかる時計に、自然と目がいく。

「えっ、うそ、もうこんな時間! 支度しなきゃ!」

 バタバタと洗面所に駆け込む宝瑠を見て、天喜が「ははっ」と顔を崩して笑った。