AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 久々津は「あれ?」とでも言いたげに首を傾げ、いくらか間を置いてから頷いた。

「……あっそう」とさっぱりとした返事が返ってくる。彼らしい淡々としたトーンで。

 宝瑠はそんな久々津を見つめ、ふっと微笑んだ。怒ってはいないようで、ほっと胸を撫で下ろした。彼はカウンターキッチンにマグカップをふたつ並べ、黙々とインスタントコーヒーを淹れている。

「つーか、別に謝る必要ないんじゃない?」
「……え」
「宝は宝の本音をこぼしただけだし。俺もそれなりに思うこと言ったし。おあいこっていうか。だから俺も謝んないし、それでいいんじゃない?」
「……うん」
「建設的に話し合って、ひまのために家族ごっこできればそれで」
「……そうだね。うん、そうかも」

 宝瑠は顔を綻ばせて笑った。しかしふと、気になった言動を思い出し、言ってみる。

「でも、久々津さん。私にけっこう失礼な物言いしたわよ? 傲慢とか強要とか八つ当たりとか。強要と八つ当たりは図星かもって思ったけど、傲慢は違うと思う。あっ、あと仕事の要領が悪いってことも。あれは訂正してもらわないと」
「……うん」

 彼は表情を変えずに頷き、スプーンでくるくるとコーヒーをかき混ぜた。カップのひとつを宝瑠に差し出し、「確かに傲慢は違うか」と呟く。

「それは、悪かった。……ごめん」

 そう言った彼と目が合い、ふわっと心が軽くなる。