着信音はオフにしていたはずだが……アラームにあるスヌーズ機能だろうか。
宝瑠は慌ててリビングへ戻った。それと同時に、久々津が寝室の扉を開けて出てきた。いくらか焦る彼を見て、宝瑠は「あ」と声をもらした。
「おはよう、ございます」
顔を洗っただけのすっぴんで、少しだけ気恥ずかしさを覚えたのだが。彼は小さくあくびをし、「おはよ」と呟いた。ハイライトの入った柔らかそうな髪に、若干寝癖がついていた。
それを見て、無意識に笑みを浮かべてしまう。「なに?」と彼が低い声を出し、目を細めた。「ううん」。宝瑠は首を振り、「なんでもない」と答えた。
キッチンに立つ彼を見て、昨夜寝る前まで考えていたことを思い出す。
「あの、久々津さん」
静かに呼びかけると、彼の目がついとこちらに向けられる。
「昨日のこと、なんだけど。あのあと自分なりに考えて……反省したの。一方的に私の感情を押し付けたこと、申し訳なかったわ。ごめんなさい」
朝の静謐な室内で頭を下げたとき、宝瑠は思った。
——ここからまた、新しい自分に生まれ変われるかもしれない、と。
自分とは全く違う考え方、感じ方をする相手と向き合いながら、少しずつでも建設的に話し合える関係になれたら、と。
宝瑠は慌ててリビングへ戻った。それと同時に、久々津が寝室の扉を開けて出てきた。いくらか焦る彼を見て、宝瑠は「あ」と声をもらした。
「おはよう、ございます」
顔を洗っただけのすっぴんで、少しだけ気恥ずかしさを覚えたのだが。彼は小さくあくびをし、「おはよ」と呟いた。ハイライトの入った柔らかそうな髪に、若干寝癖がついていた。
それを見て、無意識に笑みを浮かべてしまう。「なに?」と彼が低い声を出し、目を細めた。「ううん」。宝瑠は首を振り、「なんでもない」と答えた。
キッチンに立つ彼を見て、昨夜寝る前まで考えていたことを思い出す。
「あの、久々津さん」
静かに呼びかけると、彼の目がついとこちらに向けられる。
「昨日のこと、なんだけど。あのあと自分なりに考えて……反省したの。一方的に私の感情を押し付けたこと、申し訳なかったわ。ごめんなさい」
朝の静謐な室内で頭を下げたとき、宝瑠は思った。
——ここからまた、新しい自分に生まれ変われるかもしれない、と。
自分とは全く違う考え方、感じ方をする相手と向き合いながら、少しずつでも建設的に話し合える関係になれたら、と。



