AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 宝瑠はふっと息をつき、佐伯とともに会議室へ向かった。

 午後イチの会議を終えてから、デスクに戻る。

 プレゼンに必要な資料を余すことなく揃え、手早く鞄を肩にかけた。カツカツとヒールを鳴らし、颯爽と会社を後にした。

 午後三時に訪問予定のナミキホールディングスは、駅の向こう側にある。

 移動も考慮すれば、近くの公園かどこかで軽く昼食を済ませておくべきだ。

 ビルの合間にある小さな公園へ辿り着く。ところどころ塗料のはげたベンチに座り、コンビニの袋からサンドイッチを取り出した。

 逐一、腕時計で時間を確認しながら黙々と食事を進める。ブラックの缶コーヒーを開けて飲み干すと、思わず大きなため息がこぼれた。

 鞄の中からスマホを出してチャットアプリ、『Su-nao (スナオ)』を立ち上げる。画面上部の時計に目をやり、まだ時間があるのを確認した。

「今どうしてる?」と書かれたバーにタタっと文字を打ち込む。宝瑠は内に押し込めた愚痴を、一心不乱に吐き出した。アプリ上に書くことでモヤモヤを解消しようと思った。

 女子社員からの悪評を偶然聞いてしまった流れをアプリに書き出すと、AIは即時に読み込み分析してくれる。機械なのに、人間に寄り添った感覚で温かい言葉をつらつらと並べてくれる。