宝瑠は目を見張った。途端に水を浴びせられたような気持ちになった。久々津を見つめ、なにも言い返せなくなる。
「そんなつもりじゃ」と続けるのが精一杯だった。ただ、忙しい時間帯に連絡をしてこられても、見れないこともあるし、仕事に没頭して返事自体を忘れてしまうこともある。それをわかってほしいだけなのに、なんでそこまで言われないといけないのか……。
別に遊んでるわけじゃない。自分がなすべきことをやって、課のチーフとして部下と気持ちよく仕事したいだけ。会社で、社会で必要とされる人間として、認められたいだけ。それのなにがいけないんだろう……。
そう思うと、沸々と込み上げる感情があった。腹の奥底に沈んでいた怒りが、熱を持って這い上がって来る。「なによ」と低い声がこぼれ落ちた。
「さっきから聞いてれば、勝手なことばっかり」
久々津の目が、またちらりと宝瑠に向けられた。
「私は……あんたの事情を汲んで、小野寺くんにもあんたのこと黙ってたのよ?」
「……はい?」
「だから今日だって、他人行儀にしてたのに、なんでああいうことペラペラ喋っちゃうの?」
「だから、なにが?」
「あんたと同居してることと日葵ちゃんがいること。他言してほしくないと思って、黙ってるのに、なんでラインの返事がどうとか、何時に帰ってくるとか言っちゃうわけ?」
「そんなつもりじゃ」と続けるのが精一杯だった。ただ、忙しい時間帯に連絡をしてこられても、見れないこともあるし、仕事に没頭して返事自体を忘れてしまうこともある。それをわかってほしいだけなのに、なんでそこまで言われないといけないのか……。
別に遊んでるわけじゃない。自分がなすべきことをやって、課のチーフとして部下と気持ちよく仕事したいだけ。会社で、社会で必要とされる人間として、認められたいだけ。それのなにがいけないんだろう……。
そう思うと、沸々と込み上げる感情があった。腹の奥底に沈んでいた怒りが、熱を持って這い上がって来る。「なによ」と低い声がこぼれ落ちた。
「さっきから聞いてれば、勝手なことばっかり」
久々津の目が、またちらりと宝瑠に向けられた。
「私は……あんたの事情を汲んで、小野寺くんにもあんたのこと黙ってたのよ?」
「……はい?」
「だから今日だって、他人行儀にしてたのに、なんでああいうことペラペラ喋っちゃうの?」
「だから、なにが?」
「あんたと同居してることと日葵ちゃんがいること。他言してほしくないと思って、黙ってるのに、なんでラインの返事がどうとか、何時に帰ってくるとか言っちゃうわけ?」



