「まぁ、俺は? 協調性のカケラもないし、だからこそフリーでやってるんだけど。宝が上の立場っていうなら、ちょっとぐらい部下動かして一時間でも二時間でも早く帰れるように計算すりゃいいんだよ。結局のところ、要領が悪いんだよ」
「あのねぇ!」
苛立ちがピークに達して、つい声を張り上げてしまう。カタン、とリビングの奥から小さな物音がして、久々津がサッと視線を走らせた。
宝瑠とすれ違い、奥の、日葵の部屋を見に行く。幸い、彼女は起きていないようで、彼はすぐ戻ってきた。
「部屋で話そう」と低く言って、腕を引かれた。
久々津の仕事部屋へ移動して、彼がドアを背にして向き合った。宝瑠は彼を睨みあげ、スッと目を逸らした。
疲れて帰って来ているのに、本当勘弁してほしい。心底そう思ってしまう。
「つーか。なんでスマホ見ねーの?」
彼は、何度目だよとでも言いたげに、うんざりした顔でため息をついた。
「見たわよ、だからちゃんと返事したじゃない」
「“何時に帰ってくる?”ってラインは見てないだろ?」
「だからそれは、ちょうど仕事が立て込んでて、見る余裕がなかっただけよ。連休明けでクライアントからの依頼も山積みだったの。……それなのに。いちいち晩御飯のラインなんかしてこないでよ」
そこで久々津が、ふいに真顔になり、目を伏せて息を吐いた。
「あのねぇ!」
苛立ちがピークに達して、つい声を張り上げてしまう。カタン、とリビングの奥から小さな物音がして、久々津がサッと視線を走らせた。
宝瑠とすれ違い、奥の、日葵の部屋を見に行く。幸い、彼女は起きていないようで、彼はすぐ戻ってきた。
「部屋で話そう」と低く言って、腕を引かれた。
久々津の仕事部屋へ移動して、彼がドアを背にして向き合った。宝瑠は彼を睨みあげ、スッと目を逸らした。
疲れて帰って来ているのに、本当勘弁してほしい。心底そう思ってしまう。
「つーか。なんでスマホ見ねーの?」
彼は、何度目だよとでも言いたげに、うんざりした顔でため息をついた。
「見たわよ、だからちゃんと返事したじゃない」
「“何時に帰ってくる?”ってラインは見てないだろ?」
「だからそれは、ちょうど仕事が立て込んでて、見る余裕がなかっただけよ。連休明けでクライアントからの依頼も山積みだったの。……それなのに。いちいち晩御飯のラインなんかしてこないでよ」
そこで久々津が、ふいに真顔になり、目を伏せて息を吐いた。



