AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

 デスクにつき、両手を載せてキーボードを弾いた。やがてフロアの明かりが消えて、照明は宝瑠の周りだけとなった。

 結局のところ、残業は二時間をゆうに超え、久々津のマンションに帰り着いたときには、午後九時に差し掛かろうとしていた。

「……なんでこんなに遅いの?」

「ただいま」と小声で囁き、ドアを開けたのだが。玄関の前で腕を組んだ久々津が、帰宅した宝瑠をジロリと睨んだ。

「仕方ないでしょ、仕事なんだから」

 宝瑠は久々津の顔も見ずにパンプスを脱ぎ捨てた。リビングへ続く廊下を歩いていく。「要領悪いんじゃねーの?」と久々津が平然と毒を吐いた。鬱陶しいので無視をした。

 リビングはしんと静まり返っていて、電気はキッチンスペースしか点いていなかった。「あれ?」と思わず呟いてしまう。つい「ひまちゃんは?」と聞きそうになった。

 宝瑠の様子から察して、久々津がわざとらしくため息を吐いた。

「ひまならさっき寝た、ようやく」
「……え」
「ママが帰って来るまで待ってるって、ずいぶん粘ってたんだけどな」
「……そうなんだ」

 ズキンと心臓の一部が痛くなる。宝瑠は手にした通勤鞄をソファの足元に置いた。

「あのさ。他人と暮らすってどういう意味か、ちゃんと理解してる?」

 背後から、久々津の低く淡々とした声が言い、宝瑠はきゅっと下唇を噛んだ。