「若年層向けのプロモーションでバズを起こしたい」であるとか、「新商品の認知度を高める“仕掛け”が欲しい」といった要望を聞き入れるため、宝瑠は営業戦略課として提案方針をプレゼンした。
その後、コンテンツ推進課が企画を引き継ぎ、フリーランスとして活動するAkiへ打診した。流れとしては、小野寺本人からそう聞いている。
「ていうか、佐伯って小野寺くんと仲良いんだ?」
宝瑠は、人当たりのいい若手社員のコミュ力に感心し、思わずそう尋ねていた。
「この間飲みに誘われて、意気投合しちゃいまして」
そう言いながら、佐伯が照れ臭そうに笑う。
「そういえば四ノ宮チーフ、知ってます? Akiがいっさいメディアに顔を出さない理由」
「え、何それ?」
宝瑠がかすかに笑ったのを見て、佐伯がふふんと得意そうな笑みを浮かべた。もったいつけて言う。
「なんでも“女性にモテすぎるから”……だそうですよ?」
「……はい?」
「小野寺先輩から聞いたんですけど、本人がそう言ってたらしいんですよ」
「ふぅん……」
宝瑠は先ほどすれ違った男の風貌を思い出し、なるほどなと妙に納得していた。どこか浮世離れした身なりと空気感。第一印象は、いかにもチャラチャラしていそうだった。
女性にモテすぎるから。
冗談とも取れるカジュアルな理由だが、あながち間違いでもなさそうだ。
その後、コンテンツ推進課が企画を引き継ぎ、フリーランスとして活動するAkiへ打診した。流れとしては、小野寺本人からそう聞いている。
「ていうか、佐伯って小野寺くんと仲良いんだ?」
宝瑠は、人当たりのいい若手社員のコミュ力に感心し、思わずそう尋ねていた。
「この間飲みに誘われて、意気投合しちゃいまして」
そう言いながら、佐伯が照れ臭そうに笑う。
「そういえば四ノ宮チーフ、知ってます? Akiがいっさいメディアに顔を出さない理由」
「え、何それ?」
宝瑠がかすかに笑ったのを見て、佐伯がふふんと得意そうな笑みを浮かべた。もったいつけて言う。
「なんでも“女性にモテすぎるから”……だそうですよ?」
「……はい?」
「小野寺先輩から聞いたんですけど、本人がそう言ってたらしいんですよ」
「ふぅん……」
宝瑠は先ほどすれ違った男の風貌を思い出し、なるほどなと妙に納得していた。どこか浮世離れした身なりと空気感。第一印象は、いかにもチャラチャラしていそうだった。
女性にモテすぎるから。
冗談とも取れるカジュアルな理由だが、あながち間違いでもなさそうだ。



