「ううん、それは小野寺くんが頑張ったからよ。小野寺くんの誠意、ちゃんとAkiにも伝わったんだと思う」
「そう……なのかなぁ? だとしたらほんと、諦めなくて良かった」
喜びを隠せない小野寺の様子に、宝瑠も自然と顔を綻ばせた。
紙コップに抽出されたブラックコーヒーを取り出し、手で「どうぞ」と合図する。 小野寺が紙コップをひとつ取る。「それで?」と宝瑠が尋ねた。
「契約締結はいつ? 早い方がいいわよね?」
「それなんだけど、今日なんだよ。直接うちまで来てくれるって言ってて」
「へぇ、そうなんだ? それクライアント先には?」
「もうメールしてあるよ」
「そっか、着々と進みそうで安心した」
「……うん。ていうか、Akiはどういう風の吹き回しなんだろうな。あんなに頑なに“やらない”って姿勢だったのに」
「さぁ? ただの気まぐれなんじゃない?」
カップを口に運びながら、宝瑠は意味ありげに微笑んだ。
「先輩っ、おはようございます」
トーンの高い声が聞こえ、宝瑠の表情が不自然に固まった。声の主を確認しなくてもわかる。桃子だ。
振り返り、やっぱりと思った。宝瑠は連休前の陰口を頭の隅に追いやり、作り笑顔を浮かべた。「おはよう、桃子」といつものように挨拶する。
桃子は目の合った小野寺をじっと見つめ、可愛らしい笑顔で会釈した。
「そう……なのかなぁ? だとしたらほんと、諦めなくて良かった」
喜びを隠せない小野寺の様子に、宝瑠も自然と顔を綻ばせた。
紙コップに抽出されたブラックコーヒーを取り出し、手で「どうぞ」と合図する。 小野寺が紙コップをひとつ取る。「それで?」と宝瑠が尋ねた。
「契約締結はいつ? 早い方がいいわよね?」
「それなんだけど、今日なんだよ。直接うちまで来てくれるって言ってて」
「へぇ、そうなんだ? それクライアント先には?」
「もうメールしてあるよ」
「そっか、着々と進みそうで安心した」
「……うん。ていうか、Akiはどういう風の吹き回しなんだろうな。あんなに頑なに“やらない”って姿勢だったのに」
「さぁ? ただの気まぐれなんじゃない?」
カップを口に運びながら、宝瑠は意味ありげに微笑んだ。
「先輩っ、おはようございます」
トーンの高い声が聞こえ、宝瑠の表情が不自然に固まった。声の主を確認しなくてもわかる。桃子だ。
振り返り、やっぱりと思った。宝瑠は連休前の陰口を頭の隅に追いやり、作り笑顔を浮かべた。「おはよう、桃子」といつものように挨拶する。
桃子は目の合った小野寺をじっと見つめ、可愛らしい笑顔で会釈した。



