徒歩で出勤しながら頭の中にさまざまな考えを巡らせた。
昨夜、眠る前に日葵と少し会話し、久々津の年齢について尋ねた。日葵の話によると、彼は十二月生まれの二十七歳らしい。つまり今年で二十八になる。宝瑠のひとつ年下と聞いて、わずかに驚いた。
あの無愛想で偉そうな態度を思うと、てっきり自分より二つぐらい上かと思っていた。決して見た目が老けているという意味ではない。
むしろ、外見だけを見れば二十代前半にも見える。
あれで父親だなんて、とても信じられなかった。
そしてまたひとつ、わかったことがある。彼は二十歳の頃、日葵の母親と関係を持ったのだ。
信号待ちの交差点で足を止め、宝瑠はふと空を見上げた。突き抜けるような、五月らしい青空が広がっている。
頬に爽やかな風を感じて、ふいに今朝見た夢のワンシーンが呼び起こされた。
そういえば。あの頃の瑠奈は、いつもパンばかり食べていたな……。なんとなくだが、そんなことを思った。
高校三年だった宝瑠と、一年生の瑠奈。
あの頃のふたりにとって、互いの存在は心の拠り所だった。瑠奈とああして過ごしたのは、たった一年間だけだ。
宝瑠が大学一年のころ、彼女は両親の都合で転校し、北海道へ移り住んだ。それでも携帯電話だけで繋がっていたのだが——半年も過ぎたら音信不通になってしまった。
昨夜、眠る前に日葵と少し会話し、久々津の年齢について尋ねた。日葵の話によると、彼は十二月生まれの二十七歳らしい。つまり今年で二十八になる。宝瑠のひとつ年下と聞いて、わずかに驚いた。
あの無愛想で偉そうな態度を思うと、てっきり自分より二つぐらい上かと思っていた。決して見た目が老けているという意味ではない。
むしろ、外見だけを見れば二十代前半にも見える。
あれで父親だなんて、とても信じられなかった。
そしてまたひとつ、わかったことがある。彼は二十歳の頃、日葵の母親と関係を持ったのだ。
信号待ちの交差点で足を止め、宝瑠はふと空を見上げた。突き抜けるような、五月らしい青空が広がっている。
頬に爽やかな風を感じて、ふいに今朝見た夢のワンシーンが呼び起こされた。
そういえば。あの頃の瑠奈は、いつもパンばかり食べていたな……。なんとなくだが、そんなことを思った。
高校三年だった宝瑠と、一年生の瑠奈。
あの頃のふたりにとって、互いの存在は心の拠り所だった。瑠奈とああして過ごしたのは、たった一年間だけだ。
宝瑠が大学一年のころ、彼女は両親の都合で転校し、北海道へ移り住んだ。それでも携帯電話だけで繋がっていたのだが——半年も過ぎたら音信不通になってしまった。



