そこで久々津が距離を詰めた。宝瑠に覆い被さるように近づき、彼の唇が自身のそれにそっと触れた。
軽く触れ合うだけのライトなキスに違いないが、そうと自覚した途端、宝瑠は久々津を押しやり、唇に手を当てた。
「なに、するのよ……」と、言葉がかすれた。
信号が青に変わり、久々津は何事もなかったかのようにアクセルを踏み込んだ。今のキスも、なかったことにするみたいに。
「さっきの話」とまた対話が戻ってくる。
「レミックスの仕事は受ける。小野寺さんには俺から連絡しておくから」
「……わかった」
「その代わり、四ノ宮さんは日葵のママになる、それでいいんだよね?」
「ええ。一緒にいるときはできるだけ、そういうふうに振る舞うわ」
不機嫌そうに眉を寄せ、宝瑠がフロントガラスを睨むようにして答えた。隣からハァ、と不服そうなため息が聞こえた。「つーか、そこがイマイチ曖昧なんだよなぁ」とぼやき、久々津が小さく舌打ちした。
……はぁ??
宝瑠はムッとなり、「なんでよ」と言い返した。
「一緒にいるときはって……。そんなのそっち都合じゃん? 母親っていつも一緒にいるもんなんじゃねーの?」
「はぁ? そんなの、どう考えても無理な話じゃない。私には仕事があるんだし、一緒に暮らしてるわけじゃないんだから」
「だったら一緒に暮らせばいいじゃん?」
軽く触れ合うだけのライトなキスに違いないが、そうと自覚した途端、宝瑠は久々津を押しやり、唇に手を当てた。
「なに、するのよ……」と、言葉がかすれた。
信号が青に変わり、久々津は何事もなかったかのようにアクセルを踏み込んだ。今のキスも、なかったことにするみたいに。
「さっきの話」とまた対話が戻ってくる。
「レミックスの仕事は受ける。小野寺さんには俺から連絡しておくから」
「……わかった」
「その代わり、四ノ宮さんは日葵のママになる、それでいいんだよね?」
「ええ。一緒にいるときはできるだけ、そういうふうに振る舞うわ」
不機嫌そうに眉を寄せ、宝瑠がフロントガラスを睨むようにして答えた。隣からハァ、と不服そうなため息が聞こえた。「つーか、そこがイマイチ曖昧なんだよなぁ」とぼやき、久々津が小さく舌打ちした。
……はぁ??
宝瑠はムッとなり、「なんでよ」と言い返した。
「一緒にいるときはって……。そんなのそっち都合じゃん? 母親っていつも一緒にいるもんなんじゃねーの?」
「はぁ? そんなの、どう考えても無理な話じゃない。私には仕事があるんだし、一緒に暮らしてるわけじゃないんだから」
「だったら一緒に暮らせばいいじゃん?」



